2023年12月12日

エリザベート 1878

 19世紀のヨーロッパの歴史のお勉強がすこしできるかな、という期待もあっての鑑賞だったのだけれど、たしかに史実をベースにはしているのでしょうけれど、けっこう自由にいささか突飛にアレンジされてというか、むしろ、主張があらかじめ用意されてその道具として選ばれた人物像だったのでは、と想像されたり、なかなかの爽快感であったけれど。
 いやじっさい、王家に生まれついたり嫁いできたりは、いろいろの事情で束縛されての人生を享受するしかなく、個人の嗜好や主張などほぼ顧られない、既成概念に屈伏せざるを得ず、そうでなければ反逆とみなされ大騒動、のやりきれなさ、人権とは最も遠いところにいる存在、ということを考えさせられながらの物語との交歓であったり、ここでも今でも続いている論点でもありそうな、要は現代のお話でした。
 どんな身分でも家族とは心の通い合いの難しさは、夫、息子、娘、それぞれの価値観とのぶつかり合いはごく普通の家のようでも、王家独特の重大さがありそうでも。娘とのす違いがなんとも。

エリザベート 1878

 エリザベート 1878

 シネプラザサントムーンにて2023年10月


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Posted by 中島遥香 at 23:02 │◆映画レビュー2023年映画館でヨーロッパ映画

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