シシシシシネマ

　あれからもう１０年たってしまったんですね、そんで状況は必ずしもよくなってるわけではなくたしかに問題意識は高まってしばしば話題にのぼることはあるようにも思うのだけれどでもまだまだそんな切迫してるわけではないんじゃない？まだまだ先のお話じゃない？みたいな雰囲気であったりはしないでしょうか温暖化とかエネルギー不足とかわかっててもだからっていま何ができるっての？みたいな。
　が、あのグリーンランドの氷がどどーっと溶けてぎゅろぎゅろものすごい勢いで流れ込んでゆく映像とか見ると、なるほど、これかこれじゃあ世界のあちこちで異常事態がひっきりなしに起こるのも当然と目からウロコの説得力、まさに百聞は一見にしかずの衝撃、原因はともかくとしても温暖化はまちがいなく目の前に。
　パリ協定が合意にいたるまでの右往左往がドラマチックに描かれるのですが、テロであったり災害であったり、いま直面している問題が繰り広げられるなかでの、そんなことより国の発展が優先、の葛藤、むりやり押し付けるのではなく誰にとっても得策であるよう導くのに目先の利益ではなくもっと向こうの未来を見据える視線のたいせつさ、新進気鋭な企業のトップが本腰をいれてこそ有効な対策となりうるかも、の現実。
　そして、日本は心許ないなあ、の印象なんとなく、目の前の経済ばかりに。


　シネプラザサントムーンにて２０１７年１２月

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