2017年10月23日

パターソン

 なんとなあくどこかへ向かってる感触があるようでもじつはどこへも向かっていないでずっとここにとどまっているみたいなけれど微妙な揺らぎはつねにやはりあってその一瞬をとらえることに気持ちのすべてを傾けたくなったりが無性に、衝動、ひっそり、ことさら誰かのためにというのでもなく、の繰り返しがつまり日々の暮らしなわけだったり人生やりすごしてゆくことでそれが事実すべて、けなげでかわいらしく歩みをやめないことに寄り添うことの心地よさ。
 ジム・ジャームッシュて繰り返しを微妙に変調させてゆくたとえば主旋律をいろいろのアレンジで奏でつづける音楽のような、鬱陶しくもあり耳を傾けずにいられなくもあり、ほんの少しのノイズでつい微笑んでしまったりせつなくなったり、生きてゆくことの正体そのもののようであったり。
 犬はたしかにお見事。

パターソン

 シネプラザサントムーンにて2017年10月

 パターソン 公式ホームページ


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Posted by 中島遥香 at 00:52 │◆映画レビュー2017年映画館でアメリカ映画

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